サーバーはホームページを作成するための土台であり、なくてはならない存在です。
しかしサーバーの形態や種類はさまざまで、どのサーバーを選んでいいのか分からない、そもそもサーバーが何かを理解していない方も多いのではないでしょうか。
サーバーがないと、ホームページやブログを作成してもユーザーがアクセスできません。そのため、ホームページやブログなどのWebサイトをインターネット上に公開するには「サーバー」と「ドメイン」の2つが必要です。
今回は、ホームページ制作に必須のサーバーについて初心者向けに種類や役割、用途などを紹介します。
サーバーとは
サーバーとは、サービスを提供するコンピューターを指します。サーバーと呼ばれるコンピューターは24時間365日電源がオンになっており、常時ネットワークに接続ができる状態です。世界中のWebサイトは、それぞれ専用のサーバーに設置されて稼働しています。サーバーが常に稼働しているからこそ、ユーザーが好きなタイミングでGoogleやAmazon、Twitterと言ったWebサイトを利用できます。
例えば、Amazonや楽天などのネットショッピングを利用する際に、自分が検索したい商品を検索窓に打ち込むと対象商品が表示されます。これは、入力したキーワードに合った商品情報をサーバーが提供し、条件に合った商品が表示される仕組みになっています。それ以外にも、企業が管理する膨大なデータを活用したり、Twitterやインスタグラムなどの大規模SNSサービスでもサーバーは利用されています。
なぜサーバーが必要なのか
サーバーはWebサイトを動かすためのエンジンのような役割をします。そのため、サーバーがないとWebサイトを開設することができません。サーバーの内部では、サーバーソフトウェアが動いています。まず、サーバー全体の動きを管理するOS(オペレーティングシステム)があり、そのうえでいろいろな役割を担うWebサーバーやメールサーバーなどのミドルウェアが動いています。
プログラマーが作成するWebサイトなどのプログラムは、上述の上に設置して実装する形です。このサーバーとミドルウェアが正しくセットアップされて初めてWebサイトを公開することができます。
サーバーの役割・用途
サーバーには、Webサーバー、メールサーバー、データベースサーバー、DNSサーバー、FTPサーバーなど、さまざまな役割や用途があります。ホームページ制作に欠かせないサーバーの機能面から見た種類を紹介します。
Webサーバー
Webサーバーは、WebサイトやWebアプリケーションなどを運営する際に必要なサーバーです。利用者からの要求に応じて要求に沿ったデータをWeb上に送り返す役割があります。
例えば、WebサイトにアクセスするとWebページに画像や広告、テキストなどが表示されます。画像や広告、テキストやサイトのデザインなどの要素はWebページを表示するHTMLやCSSに記述されていますが、表示されるためのデータを管理しているのがWebサーバーです。そのためWebサーバーがないと、ホームページやWebサイトは表示することができません。WebサーバーはWebサイトの中心的役割を担っていると言えるでしょう。
メールサーバー
メールサーバーは名前の通り、メールの送受信を提供するサービスに活用されています。メールサーバーは、送信を担当するSMTPサーバーと受信を担当しているPOPサーバーに分けることが可能です。
SMTPサーバーとは「Simple Mail Transfer Protoco; Server」の略称で送信したメールを指定のアドレス先にしっかりと送り届けるのが役割です。POPサーバー「Post Office Protocol Server」は、送られてきたメールを認証して受信する役割があります。日頃何気なく利用しているメールサービスも内部ではサーバーが活用されています。
データベースサーバー
データベースサーバーは、利用者の要求に応じてデータベース上のデータを送り返すためのサーバーです。
例えば、図書館で蔵書探しをする際に設置されているデータベースに書籍の名前や出版年数、キーワードを入力すると条件に合った書籍が表示されます。これは図書館のデータベース内にある書籍データから条件に合った書籍情報をデータベースから送ってもらう仕組みになっています。このようにデータベースサーバーはデータの管理や活用と深い関わりがあります。
DNSサーバー
DNSサーバーとは「Domain Name System Server」の略称で、Webサイトなどの利用者の要求に応じて、IPアドレスとドメインを結びつける役割があります。
簡単に説明するとIPアドレスはWeb上の住所のようなもので、ドメインはIPアドレスに名前を付けて分かりやすくしたものです。Webサイトにアクセスするためには、特定サイトのWebサーバーを見つけ出しIPアドレスとドメインを結びつける必要があります。DNSサーバーは特定サイトのWebサーバーを見つけ出したうえで、IPアドレスとドメインを照合してWebサイトが閲覧できるようにします。
FTPサーバー
FTPサーバーは「File Transfer Protocol Server」の略称で、ファイル転送プロトコルとも呼ばれています。Webサイトのデータ更新や上書き、ファイルのアップロードやダウンロードに必要です。FTPは、ファイルの送受信をする際のルールのことを指し、FTPサーバーはそのルールを使用してファイルの送受信を可能にします。
例えば、Webサイトの公開時や更新時には作成したファイルデータをFTPサーバーに接続してアップロードすることで誰でも閲覧できるようになります。それ以外にも、Webサイト上に掲載しているPDFなどのデータをダウンロードする際にもFTPサーバーが使用されています。
サーバーの種類
サーバーは大きく分けて4種類あります。
ホームページやブログなどのWebサイトは、大まかにいうとHTMLやCSS、画像の3点から成り立っています。小規模なWebサイトの場合は、サーバーは1台で動いていることが多いですが、大規模なWebサイトになると何百万台ものサーバーで動いていると言った事もあります。例えばAmazonの場合はサーバーは約10万台、Googleの場合は約300万台とも言われています。
サーバー1台で処理できるアクセスには限度があるため、アクセスが多い大規模なWebサイトではそれだけサーバーの台数が必要になります。
共用サーバー
共用サーバーは、レンタルサーバーを指します。
1台のサーバーを複数の利用者でシェアして利用する形態になっており、大人数でシェアすることで比較的コストを抑えることが可能です。ただサーバー障害が発生した場合、多くの利用者に影響が出るリスクやサーバーのカスタマイズが難しいと言ったデメリットが挙げられます。共用サーバーはブログ運営に使用するエックスサーバーやmixhostなどのレンタルサーバーや、企業で使われている法人向けレンタルサーバーなどが当てはまります。
専用サーバー
専用サーバーは利用者が専用で利用できるサーバーを指し、レンタルしたサーバー1台を自由に使うことができます。他の利用者の影響を受けないので、思うとおりにサーバーの管理や活用することが可能です。例えば、サーバーで使用するOS(オペレーションシステム)やアプリケーションなども自由にカスタマイズすることができます。ただ、自由度が高い分サーバーの運用や構築は個人で行う必要があるため、サーバーに詳しいエンジニアなどが必要になります。
専用サーバーは主に企業が利用しており、会社の社員情報や顧客、ビジネス情報などを管理するサーバーを作成するときに専用サーバーを使用するケースが多いです。
VPS(仮想サーバー)
VPS(仮想サーバー)は、1台のサーバー上に構築された仮想サーバーを利用します。1台のサーバー上にはいくつもの仮想サーバーを作成することができるので、仮想サーバーを利用する場合には共有サーバーのように仮想サーバーをレンタルすることになります。
共有サーバーと似ていますが、仮想サーバーは利用者に対してそれぞれ構築されており、OSやアプリケーションなどのカスタマイズがしやすいと言ったメリットが挙げられます。
クラウドサーバー
クラウドサーバーは文字通り、インターネットなどのネットワーク上にあるクラウドに構築されたサーバーを指します。Amazonが運営する「AWS(アマゾンウェブサービス)」はクラウドサーバーの中でも知名度が高く、クラウドサーバー以外にもデータベースやストレージ機能学習に便利なプラットホームなどを提供しています。
クラウドサーバーはカスタマイズ性が高く、必要なCPUやメモリなどを自由に設定、変更することが可能です。また、多くのクラウドサーバーは従量課金制のため、利用した分だけしかコストが発生しないことも特徴として挙げられます。
近年は、大手企業はもちろん個人で利用する方も増えてきています。
ホームページのサーバーの選び方
サーバーは個人で構築することも可能です。
しかしサーバーを構築したり、運用やメンテナンスを行うためのスキルはプログラミングとは異なる専門的なスキルです。一般的な開発会社では、サーバーエンジニアやインフラエンジニアと言った形でサーバー専門のエンジニアが在籍していることも多いです。そのため、かなりのコストと知識が必要になり、個人でサーバー構築から始めることは容易ではありません。
ここでは、低コストで簡単にホームページを作成したい場合と本格的にホームページを運営したい場合別にサーバーの選び方を紹介します。
低コストと簡単さを求める場合
サーバーを準備する最も簡単な手段は、共有サーバーです。Webサービスのプログラムを設置するだけですぐに動かすことができます。価格も安価なものでは、月額数百円といったプランも多いため、小規模なサービスを試験的に稼働させると言った場合に適しています。
共有サーバーが向いているケースは、個人のサイトやブログなどに利用する場合や実験的に公開するWebサイトに利用する場合などです。
プログラミング用も考慮して共有サーバーを選ぶ場合にチェックするポイントは次の通りです。
・独自ドメインに対応可能か
・SSLに対応可能か
・MySQLが使えるか(作成可能DB数)
・phpMyAdminが使えるか
・CRONが使えるか
・管理画面の使いやすさ
・メールアドレス作成数
・ストレージ容量
・商用利用可能か
以上を踏まえたうえで、どのサーバー会社が適しているのかを選択する必要があります。
本格的に運営する場合
企業のホームページやアクセスの多いWebサイトを運営する場合や新しく作成したWebサイトをこれから多くのユーザーに広めていきたいと言った場合は、専用サーバーや仮想サーバー、クラウドサーバーが適しています。
共有サーバーと比較し、サーバーの中身を自分の好きなようにカスタマイズができるため細かい要件をチェックする必要はありませんが、サーバーの設置場所や料金体系を確認するようにしましょう。
例えばサーバーの設置場所であるリージョンに日本があるかどうかや、管理ツールの使いやすさ、対応しているOSなどです。他にも料金体系が従量課金制なのか定額制なのかなど、予算に適している料金体系があるかなどを確認することをおすすめします。
最初は共有サーバーで運営をしていき、途中から専用サーバーなどに移設することも可能です。運営するホームページやサービスの規模や拡張予定に合わせて、適切なサーバーを選ぶようにしましょう。
まとめ
サーバーは利用者の要求に応じてデータを提供する役割を持っており、Webサーバーやメールサーバーなど利用方法によって名称は異なります。近年、仮想サーバーやクラウドサーバーなど少ないコストで利用できるサーバーも増えてきており、選択肢の幅が広がっています。
サイトの規模や用途によって適切なサーバーを選ぶことが大切ですが、会社や店舗などのホームページやブログであれば共有サーバーで十分です。独自のサービス展開を考えている場合や、広告でアクセスをたくさん集める場合は専用サーバーを検討するといいでしょう。
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