オウンドメディアの作り方は?コラム作成を例に徹底解説!【ステップ別】
新規顧客へのリーチや売上のアップに欠かせないものになりつつある”オウンドメディア”。
上のような目的で「オウンドメディアを作りたい!」と考えても、「何から始めればいいんだろう?」や「どういった手順で進めていけばいいの?」といった方がほとんどだと思います。
本記事では
- オウンドメディアの作り方の例
- オウンドメディアを作る4つのステップ
について解説しています。
この記事の手順に沿って進めれば、オウンドメディア作り初心者の方でも1から始められるので、是非最後まで読み進めてください。
オウンドメディアの作り方の例
今回は、オウンドメディアのコンテンツを「コラム」とした時を例にあげて、コラムの書き方を「テーマ、対象、目的」の3つの順番で紹介していきます。
テーマ
テーマは「自社製品やサービスを使って何かしたこと(解決したこと、うまくいったことなど)、あるいは自社製品やサービス周辺の知識や事柄」の中から選ぶようにしましょう。
「色々なジャンルで発信する方が色々な目に触れる可能性があるのではないか?」と思うかもしれません。
しかし、関連したジャンルに絞って発信する方が、同じようなジャンルで検索をする層に何度もリーチできます。
結果として、信用や親近感がアップし、ユーザー側の「専門家」のようなポジションを築けます。
対象
対象は「自社製品やサービスを知らないが、その製品やサービスが関連づけられるような、悩みや不安を解決できる情報を探している人」です。
すでに商品やサービスを知っている人は、欲しいと思ったら商品のページまで直接訪れてくれます。
対象となるのは「特定のサイトの情報でなくても解決できればいいので、とにかく役に立つ情報が欲しい」と考えている人で、曖昧な目的を持っている人を捕まえる必要があります。
目的
目的は「記事を知って見てもらう→商品・サービスの購入→リピーター獲得」の3段階に分けられます。
まず、最初の1歩として「記事をみてもらう」ことが大切です。
どれだけ有益な記事を書いていたとしても、読者に届かなければ意味がありません。
「読者が何を望んでいるのか」を徹底的に調査し、コンテンツを作成します。
次に「自社の製品やサービスを購入」してもらうことです。
記事を読んでもらって「悩みが解決した」という状態に持っていくことも重要ですが、その後に商品を買ってもらえるような導線を確保しておく必要もあります。
LP(ランディングページ)に誘導したり、最後に商品の紹介をしたりする、といったことも用意しておきましょう。
そして、最終的には「自社製品やサービスのリピーターを育成」することです。
初見の人を多く集めるのと同時に、繰り返し使ってくれる人、つまりリピーターの獲得も行わなければいけません。
継続的な売上をあげるにはリピーターが必要不可欠です。
1度購入した人が商品や企業のファンになってくれるようなコンテンツを作成しましょう。
上記ではコラムを例に書きましたが、コンテンツはなんでも構いません。
コラム以外でも、ブログ、SNS、メルマガ、などのユーザー向け情報発信媒体であればオウンドメディアとして活用できます。
目標に沿って運営していきましょう。
これ以降では、「事前の計画」「コンテンツ戦略の設計」「コンテンツ作成の流れ」「コンテンツに関する結果の分析」の4つのステップに分けて、オウンドメディアの作り方を詳しく解説します。
オウンドメディア作成ステップ1:事前の計画
オウンドメディアを作る1段階目が「事前の計画」です。
事前の計画をせずにコンテンツ作りをしてしまうと、誰も求めていないオウンドメディアを作ってしまいかねません。
こちらでは、「目標の設定」「閲覧するユーザーの調査」「競合の調査」「管理システムの選択」「運営方法の設定」の5項目で解説します。
すでにオウンドメディアを持っている方は、自社のものが対応できているのかを確認しながら読んでみてください。
1.目標の設定
オウンドメディアを作る前に「何を目標とするのか」を決めていますか?
目標がないと「どういった過程が必要なのか」や「どのような媒体を使うか」などのことが決められません。
目標を設定することで、この後説明する項目の道筋が決められます。
目標は、以下のような点を持って決めましょう。
①期限
「いつまで」という期限がないまま目標を設定してしまうと、達成がヅルヅルと長引いてしまいます。「◯月△日までに」といったような期限をしっかりと設定しましょう。
②具体的な数値
具体的な数字がないと「売り上げが上がったor下がった」といった抽象的な議論で終わってしまいます。「集客率30%アップ」といった具体的な数字を盛り込んでおきましょう。
③達成可能である
無理な目標はモチベーションや集中力を下げてしまいかねません。その目標が現状達成可能であるかどうかを確認しましょう。
2.閲覧するユーザーの調査
運営するオウンドメディアが「どういったユーザーを対象とするのか」を決めましょう。
対象のユーザーが決まっていないと、発信するコンテンツの軸がブレてしまいます。
そして、決める際はユーザー(=ペルソナ)をできるだけ詳しく設定しておきましょう。
例えば
- 性別
- 年齢層
- 悩み
は必須事項です。
そのほかにも
- 職業
- 住んでいる地域
- 趣味嗜好
- 家族構成
- どこで読むのか
などを設定しておくと、ユーザーに「このコンテンツは私に当てはまっている!」や「この記事は私のことを分かっているな」と思わせることができます。
3.競合の調査
競合となりそうなものを調査しておくことも重要です。
ブログやコラムであれば「競合している企業のWebサイト」、SNSであれば「同ジャンルのアカウント」が対象となります。少なくとも上位10個程度は見ておきましょう。
実際に上位に来ているサイトやアカウントを訪れ、「どのようなコンテンツが読者にウケているのか」「どうやって上位を獲得しているのか」といったことを調査し、自社のオウンドメディアに取り入れていきます。
その際は、丸々真似するのではなく、重要な部分はどこかを抜き出して、どこで差別化を測れるのかを考えながら見ていきましょう。
管理システムの選択
コンテンツを管理するシステムのことを「CMS」と呼びます。
自社でCMSを作成するところもありますが、一般的には、サイトやブログを作成するためのCMS「WordPress」を使うことが多いです。
WordPressは、さまざまなテーマを選ぶことができ、自由にサイトの運営・設計ができるため、多くの企業から親しまれています。
厳密にはCMSではないですが、SNSも選択肢の1つです。
5.運営方法の設定
運営方法には「社内部運営」と「外部委託」の2つがあります。
社内の人材だけでオウンドメディアを運用する社内部運営の場合は、特段気にすることはない(ステップ2の2で詳しく解説)のですが、外部委託の場合は違います。
外部委託は、全てを外部に委ねるのか、それとも1部分だけを任せるのかによって異なるので、必要な人材(ディレクター、ライター、デザイナー など)の採用を進めなければいけません。
オウンドメディア作成ステップ2:コンテンツ戦略の設計
事前の計画が済んだとしても、すぐにコンテンツ作成できる訳ではありません。
コンテンツを作る前に、「コンテンツ戦略の設計」というステップを入れる必要があります。
こちらでは「コンテンツの監査」「保有リソースの確認」「運用スケジュールの決定」という3項目で、コンテンツ戦略の設計方法を紹介します。
1.コンテンツの監査
こちらはすでにオウンドメディアでコンテンツの発信をしている方に当てはまるものです。
「コンテンツの監査」を言い換えると「自社で発信したコンテンツのパフォーマンスを確認する」ことです。
SNSやブログの記事で「何がウケて何がウケなかったのか」「ウケたけれど、商品・サービスの購入に結びつかなかったのはなぜか」「どんなものが拡散されやすいのか」といったことを調査します。
ステップ4の分析にも当てはまりますが、その結果をもとに「どういったコンテンツを作るのか」を決めましょう。
2.保有リソースの確認
コンテンツの作成は、時間をかければ1人でも可能ですが、複数の人数で運営する方が短期間でスピーディーに作成することができます。
社内・社外問わず、現在保有している人材がどの程度いるのかを把握しなければいけません。
- コンテンツを執筆するライター
- コンテンツの編集者
- アイキャッチを作成するデザイナー
- 今後のための分析を行う人
- 全体の統括者
- 進捗具合の管理者
など、現状稼働できる人を確保しておきましょう。
3.運用スケジュールの決定
自社のリソースが確認できたら、コンテンツの作成がどのような手順でいつまでに完成されるのか決めておきます。
例えば、現在が1日なら、7日までに競合しそうな記事のチェックを終わらせる、14日までにコンテンツの初稿を完成させる、といったように項目ごとにスケジュールを設定します。
スケジュールを設定する際は、余裕のある状態にしておくことも忘れないでください。そうすることで、万が一トラブルが起きても対応しやすくなります。
スケジュールの管理は、エクセルやスプレッドシート、Asanaなどを使うと便利です。
オウンドメディア作成ステップ3:コンテンツ作成の流れ
ステップ1と2が完了したら、いよいよステップ3「コンテンツの作成」です。
コンテンツを作成する流れは「キーワードの調査」「コンテンツ要素の作成」「公開」の3つで行われます。
以下では、それぞれの項目で解説していきます。
1.キーワードの調査
コンテンツの作成で大切になってくるのが「キーワードの調査」です。
キーワードを調査するのには「上位表示される」という目的があるのはもちろんですが「読者の検索意図を理解する」という目的が大きいです。
検索意図を把握するために必要となるのが「キーワードリサーチツール」です。
などが代表的なものとして挙げられます。
例えば、あなたがキッチン用品の販売を行っている会社で「包丁 切れ味」というキーワードの記事を書こうとしているとしましょう。
キーワードツールを使うと、この2つのキーワードに付随するものとして
- 確認
- 最強
- ランキング
- 長持ち
- おすすめ
- 復活
が出てきます。(今回はラッコキーワードを使いました。)
この場合、読者の検索意図は「切れ味が良い包丁を知りたい=切れ味の良い包丁を買いたい」のほかに「包丁の切れ味を維持・確認したり、復活させる方法が知りたい」というものがある、と分かります。
あとは、この検索意図に沿ってどういったコンテンツを出すのか決めましょう。
「包丁の切れ味を確認する方法は?包丁の切れ味を復活させる方法も一緒に紹介!」といったように悩みを解決する記事を書いて、本来の目的(商品の購入など)に繋がるようにするのもいいでしょう。
また「切れ味のいい包丁はこれだ!キッチン用品好きが選ぶおすすめ10選」といった風に商品購入を促せば、自社の製品の購入ページに飛んでくれるかもしれません。
2.コンテンツ要素の作成
キーワードの調査が終わったら、中身の文章やアイキャッチ(=記事の顔となる画像)といったコンテンツの要素となるものを作り込んでいきます。
- どういった流れで文章を構成するのか
- 途中で挟む画像はどのようなものが目を引くのか
- 他社のオウンドメディアにあるコンテンツといかに差別化を測るのか
- SEO的に評価されるにはどんな内容が必要か
など、読者が飽きずに読んでくれたり、検索サイトのAIが反応してくれたりする仕掛けをしていかなければいけません。
3.公開
コンテンツ要素が完成すると、いよいよ記事の公開の段階に移ります。
コンテンツが完成したからといって、すぐに公開してはいけません。必ず「編集者による校正」を行いましょう。
「そのコンテンツが企業にとってマイナスのイメージを持たせるものではないか」といった大きな点から、「文章が伝わりにくかったり、誤字脱字がなかったりしないか」といった細部まで確認しなければいけません。
完了したら、公開します。
オウンドメディア作成ステップ4:コンテンツに関する結果の分析
公開できたからといって、そのまま放置していてはいけません。
公開した後には、コンテンツに関する結果の分析を行うことが非常に重要です。
- 公開直後の反応はどうなのか
- 目的(商品・サービスの購入、集客のアップ など)に繋がっているのか
- コンテンツを最後まで見てくれているか
など、コンテンツから得られた良い情報も悪い情報もすべて把握しておく必要があります。
なぜなら、良い結果も悪い結果どちらでも「なぜこのような結果が出たのか」を分析して、次に公開するコンテンツに役立てられるからです。
「公開して終わり」ではなく、必ず分析を忘れないようにしましょう。
まとめ
本記事では、オウンドメディアの作り方について紹介しました。
オウンドメディアはさまざまな要素が組み合わさっており、その中のどれかが欠けていると十分な結果が得られません。
「事前の計画」で調査と目標を設定し、「コンテンツ戦略の設計」で社内や発信の環境を整え、「コンテンツの作成」で読者にしっかりと届くコンテンツを作り、「結果の分析」で次に活かす情報を得る、この流れが重要なのです。
1つ1つ丁寧に、かつスピーディーにオウンドメディア作りを進めていきましょう。
この記事をしっかりと読みこんで、是非オウンドメディア作りにチャレンジしてみてください。