病院のホームページ制作のポイント5選!実際に制作する流れとは
「開業するのでクリニックのホームページを制作したい。しかしやり方が分からない」
「患者数を増やすためにWebツールを使って集患につなげたい」
上記のようなお悩みを持つ医療機関は多いでしょう。
手段としては「制作会社へ依頼する」「自身で制作する」の2パターンに分類できます。
本記事では、制作の上で必要な”医療広告ガイドライン”を踏まえ、いずれのパターンにおいても大切なポイントを5つ解説します。制作の流れや費用など、ホームページ制作を検討している方はぜひ参考にしてください。
病院のホームページの役割
病院のホームページの役割は下記のとおりです。
- 病院の第一印象を伝え、安心感や信頼感につなげる
- 病院の雰囲気や院長の人柄を知ってもらい、来院につなげる
- 来院を検討している方に診療内容などの情報を詳しく伝える
病院のホームページは、患者様に来院を促す重要な役割があります。
病院で対応している診療内容や受付時間、予約状況などの病院情報を正しく伝えられるため、患者様が来院を決定する要素となります。
病院のホームページはただ情報を伝えるだけでなく、患者様と病院とのコミュニケーションの窓口となり、病院への理解を深めて信頼関係を築くうえで非常に便利なのです。
病院がホームページを作るべき理由
病院がホームページを作るべき理由は下記の2つです。
- 患者様の獲得
- 病院の信頼性向上
患者様に足を運んでもらうためには「信頼感」「安心感」が重要です。初めて行く病院の雰囲気・院長の人柄が事前に分かっていれば、気負うことなく足を運ぶことができます。
ホームページは、どんな病院か知ってもらい患者様に来て頂くために有効なツールです。
患者様の獲得につながる
病院のホームページは患者様の獲得に最適なツールと言えます。なぜなら、患者様がスマホやタブレットで「手軽」に「どんな病院か」を知ることができ、来院につなげることができるからです。
病院を選ぶ際「まずホームページを見る」という患者様が大半です。具体的には診療科目、診療時間、病院の雰囲気などをホームページで確認します。つまり病院のホームページを見て疑問や不安が解消されれば、患者様は来院しやすくなります。
ホームページは、患者様が手軽に「どんな病院か」知ることのできる手段であり、ひいては病院経営に直結する重要なマーケティングツールです。
病院としての信頼性が高まる
ホームページ制作による大きなメリットは、「病院としての信頼性が高まる」点です。患者様は、自身の病気の治療をしてもらう際に信頼できない病院を選びません。
信頼性を高めるためには、「どのような病院なのか」をオープンに伝えることが重要です。
具体的には”病院建物”や”院内設備”の写真掲載、”診療科目”の具体的な記載などです。また、院長の顔写真と患者様へ向けたメッセージを載せると病院の雰囲気が分かり安心感を与えることができます。
大切なポイントは「患者様の立場にたち、患者様の知りたい内容を的確に分かりやすく載せること」です。
病院のホームページ制作のポイント5選!
ホームページ制作において気を付けるべき5つのポイントは、下記のとおりです。
- 保険適用の有無を記載する
- 予約システムとの連携を事前に決める
- SEO対策を行う
- 院内やスタッフの写真を掲載する
- 病院までのアクセスも分かりやすく記載する
上記のポイントをしっかりおさえ質の高い病院ホームページを制作しましょう。
保険適用の有無を記載する
保険にまつわるトラブル回避のため、必ず保険適用の有無を記載します。保険適用外の診療では、必ず料金を明記しなければなりません。厚生労働省が示す医療広告ガイドライン(注1)でも、保険適用外自由診療の料金明記義務が定められています。
【医療広告ガイドラインとは】 医療広告ガイドラインとは、厚生労働省が取り決めた”医療機関の広告規制”です。病院ホームページも当てはまり、「誇大」「虚偽」「比較優良」広告は規制の対象となります。 医療機関のガイドラインにおいて禁じられている表現の例です。 ・過度なアピールをしている「ナンバーワン」「満足度」「絶対安全」 ・他院を比較対象としている「県内一の医師数」「日本有数の実績」 ・割引などの費用を強調している表現「今なら〇円で実施」 ・メールアドレスやドメインの文字列で上記をアピールする →「http://byouki_kanchi.ne.jp」(病気の完治を暗示させるドメインなのでNG) →「chiiki_no1_hospital@xxx.or.jp」(地域ナンバーワン等のメールアドレスは他院との比較を連想するためNG) |
初めてホームページ制作に携わる際は所轄の自治体や保健所に設置の「医療広告の相談窓口(注2)」へ相談することをおすすめします。
注1:厚生労働省 医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
注2:厚生労働省 医療広告の相談窓口一覧
【更新用】各都道府県、保健所設置市及び特別区における医療に関する広告の窓口一覧 (mhlw.go.jp)
予約システムとの連携を事前に決める
予約システムとは、受付業務を効率化するためのITツールです。来院前にWeb上で事前予約することで病院=待ち時間のイメージをガラリと変え、患者様は来院後すぐに診察を受けることが可能です。
メリットがあるのは患者様だけではなく、予約システムの導入により受付負担が軽減されます。さらに電子カルテとの連携で、医師の負担が減り業務効率化につながります。
導入には業者への外注と自社開発の2パターンがあります。時間が取れない場合は外注、自由度が高いのは自社開発、というように状況に合わせ検討します。
SEO対策を行う
SEO対策とは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、検索ユーザーがGoogleなどで検索した際、自社ページが上位表示されることを目指す施策です。
Googleなどの検索サイトの上位表示により、サービスや商品をユーザーに認知・検討・購入へ繋げることを目的としています。SEO対策で重要なポイントは「ユーザーの悩みを解消するための役立つ情報を発信」することです。
そのため、検索キーワード選びは重要となってきます。「〇〇市」「健康診断」「診療時間」など患者様が検索の際に選びそうなキーワードを抽出し、的確な答えを用意すると効果的です。
院内やスタッフの写真を掲載する
「UI(User Interface)=ユーザーの目に触れる部分」を意識しホームページを作成すると、病院内の雰囲気がよく分かり来院につなげやすくなります。今回で言えば、患者様・ご家族様が目にするホームページ内の”デザイン・フォント・写真”などを工夫することです。
具体的には受付、待合室、診察室などの写真を掲載すると初めての方でも来院のイメージがつきやすくなります。さらに医師・スタッフ紹介、院内最新設備、感染症対策実施なども写真等で伝えることができれば、病院への安心感と信頼感が芽生え来院につながります。
写真・デザイン・フォントでホームページを工夫することは病院内の雰囲気が分かるだけではなく、ホームページを見ている人が見やすく、疲れず最後まで飽きないため来院につなげやすい効果的な方法です。
病院までのアクセスも分かりやすく記載する
来院を検討している方に、詳しくアクセス情報を伝えることもホームページの役割の一つです。診療内容等をしっかり載せることができたら、最後にアクセス情報もしっかり伝えます。
例えば、所在地・問合せ先は最低限記載すべき項目ですが、地図や最寄駅からのルート、診療時間や予約受付時間なども併せて記載するとより丁寧で分かりやすい案内となります。
患者様が安心して来院・受付ができるように病院までのアクセスについて情報を分かりやすく整備することが大切です。
病院のホームページを制作する際の流れ
病院のホームページを制作する流れは以下のとおりです。
- 制作会社に依頼する場合
①相談・問合せ |
②打ち合わせ(ヒアリング)・見積 |
③依頼 |
④詳細ヒアリング |
⑤構成案の規格・デザイン作成、撮影 |
⑥テストサイト完成・検証 |
⑦運用開始(ホームページ公開) |
⑧必要に応じて更新・追加・修正作業 |
依頼先は法人・個人事業主(フリーランス)があり、双方メリットデメリットがあります。例えば、法人は安定性が高いが費用がかかる、フリーランスは制作費は抑えられるが安定性・納期などにバラつきが出る、などです。費用と品質を考慮し制作会社を検討します。
- 自分で作る場合
※医療機関の広告規制(医療広告ガイドライン)を考慮し、表現方法や情報発信に注意を払う必要があります。法的な拘束力はありませんが違反している場合是正が命じられたり、罰則が課されたりすることがあります。
①ホームページ制作の目的を明確化「誰に・何を・どのように解決するのか」 〈具体例〉
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②ホームページの構成・デザイン「トップには病院の強み・アピールポイント」 〈必要な項目一覧〉
〈追加項目・・追加すると安心感につながる項目〉
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③独自ドメインを取得、サーバーを準備する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
④ホームページ公開 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
⑤必要に応じて更新・追加・修正作業 |
現在ではホームページ作成ツールなど専門知識やスキルがなくても自身でホームページ作成が可能です。必要なSEO対策もツール内で行うことができ、スムーズに制作ができます。
集患を目的とする場合、早めに”準備・制作・公開”を行うことがポイントです。検索エンジンの結果にホームページが表示されるようになるまで、一定の時間を要します。新しく開業する場合は、開業日より早めにホームページを完成させ公開しましょう。
病院のホームページの制作費用相場
気になるコスト面ですが専門会社に依頼する場合、費用相場は30万円〜100万円以上かかることが多いです。依頼する内容やデザイン、凝った内容にすると、コストが高くなる傾向にあります。
コストを抑えたい場合は、シンプルで分かりやすいホームページがおすすめです。
具体的な料金相場や特徴は以下の表をご覧ください。
項目 | シンプルなホームページ (新規開業医、個人開業医向け) | デザイン・機能性の高いホームページ (大学病院や医療法人など大規模な医療機関向け) |
費用相場 | ~100万円 | 100万円~ |
ページ数 | 10ページ程度 | 30ページ程度 |
情報量 | 少ない | 多い |
デザイン | テンプレートデザイン | オリジナルデザイン |
問合せフォーム | 〇 | 〇 |
ブログ機能 | ✖ | 〇 |
更新機能 | ✖ | 〇 |
何科の病院であるかによっても費用は変わります。「費用と機能のバランス」を考慮しホームページ制作にかける予算、必要な記載項目を下記のように明確化することが重要です。
・患者様が知りたい情報はなにか ・自身の医院で(最低限)必要な項目はなにか ・医院にふさわしいイメージでデザイン ・患者様に印象付けて来院につなげられるような独自性を加える |
また、ページができあがるイメージとしては以下のような順序となります。
①デザインサンプル(見本)を決める
②デザインカップに合わせコーディング(ホームページを作るコードを書くこと)
上記の順序で、トップページ・下層ページ……と必要なページ数だけ制作され、都度必要があればシステム導入を加えたり、コンテンツを用意したりします。コンテンツの量に応じて費用も加算されます。
ホームページは制作費用だけでなく管理費用もかかることを頭の片隅に置いてください。ホームページはそのままでは情報が古くなり患者様が必要な情報を知ることができなくなる可能性があります。制作会社が管理サポートを代行すると以下の費用がかかります。
安価な保守運用サポート | 一般的な保守運用サポート | 集患のためのコンサルティングサポート | |
金額 | 2万円〜5万円 | 5万円~10万円 | 10万円以上 |
具体的なサポート内容は以下を参考にしてください。
〈安価な保守運用サポート〉
・サーバートラブルの対応
〈一般的な保守運用サポート〉
・Wordpressなどコンテンツ管理システムの更新
〈集患のためのコンサルティングサポート〉
・医院専任Webアドバイザーを配属、運用をサポート
・効果的な運用方法の分析
・情報データをまとめたレポートで他院と差別化 など
自身で更新などできる方は、サーバー費用やドメイン費用、SSL費用など最低限の費用で済みます。Web専任スタッフが在中するなら別ですが、確実にこまめにホームページ更新作業をしていくとなると手間がかかるため多くの病院が制作会社に依頼しているのが現状です。
また、基本的にどれだけ安価な保守運用サポートだとしても、月額費用は2万円〜かかります。2万円以下の保守運用サポートではサーバーの保守管理を含めて対応が遅い(何もしてくれない)ケースも散見されるため、2万円以下の保守運用サポートには依頼しないのが賢明な判断と言えるでしょう。
病院のホームページの事例5選
ここからは、病院のホームページの事例を5つご紹介します。
- 豊橋市民病院
- 藤沢市民病院
- 東京女子医科大学病院
- 新宿ホームクリニック
- 東鷲宮病院
それぞれ順番に見ていきましょう。
豊橋市民病院
出典:豊橋市民病院
豊橋市民病院のホームページは、救急受診や外来受診などカテゴリーが理解しやすく分けられており、診療時間や面会時間など患者様のご家族が必要としている情報が記載されています。
デザインも現代調に寄せられており、ホームページの顔となるメインビジュアル(ファーストビュー)も信頼性のあるデザインとなっています。
診療科目の多い病院や、入院などを提供している病院は豊橋市民病院を参考にしてみてはいかがでしょうか。
藤沢市民病院
出典:藤沢市民病院
藤沢市民病院は、内科と外科に分けて情報を発信しているホームページです。
また、院長先生や医師の方にインタビューした記事も掲載されており、地域の中で藤沢市民病院が選ばれる理由がしっかりと網羅されていることが特徴です。
藤沢市民病院の場合はB1階〜8階まで設けられており、フロアマップもホームページに分かりやすく記載されています。
東京女子医科大学病院
出典:東京女子医科大学病院
東京女子医科大学病院は、TOPページにあえて情報量を掲載せず、リンクから各ページに飛ばす形で分かりやすく情報をまとめたホームページです。
デザインもシンプルに作っており、UI(ユーザーインターフェース)にこだわって作られたホームページであることが分かります。
また、予約フォームも「医療機関用」と「患者様の診療予約用」の2つが作られており、ユーザー行動を意識した導線となっていることも特徴です。
新宿ホームクリニック
出典:新宿ホームクリニック
新宿ホームクリニックは、TOPページの情報量はそこまで多くないものの、各SEOキーワードで上位表示を獲得しているホームページです。
特に「地域名×診療科」のキーワードで検索上位を獲得しています。これらのキーワードは、最も問い合わせや診療予約に繋げられるキーワードであるため、病院やクリニックが最も注力して上げるべきキーワードと言えるでしょう。
SEO対策も並行して対策していきたい病院は、ぜひ参考にしてみてください。
東鷲宮病院
出典:東鷺宮病院
東鷺宮病院は病院のホームページでは珍しく、左側のサイドバーを追従させて、常に予約や病院に関する情報が目に入るように設計されているホームページです。
また、昭和59年から開業されている実績と歴史が強みとして伝わるよう、ファーストビュー直下に院長あいさつや病院の歴史が記載されています。
他院と比較して歴史の長い病院は、東鷺宮病院を参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
病院のホームページ制作の目的は「患者様に安心感を与え、信頼してもらい、来院してもらう」ことです。そのためには患者様の知りたい内容を的確に分かりやすく記載します。しっかりとSEO対策ができていれば集患に効果がありますが、SEO対策には知識と技術力が必要です
マトレルは、豊富な知識と技術力でホームページ制作やSEOライティングを行い、お客様の課題を解決します。
「安心感を与えるイメージで作りたい」「明るくネガティブ要素を除いたページにしたい」「誠実さが伝わるようにしたい」等、お客様の課題や目的に対して解決のための施策や提案を行ってまいります。
病院のホームページ制作に課題を持つ病院経営者の方・関係者の方はぜひ一度ご相談ください。