Webサイト制作の見積もりがWeb制作会社ごとに違う理由&賢い選び方
「Webサイト制作の見積もりがWeb制作会社ごとに違いすぎてどこに頼めばいいかわからない……」そんな思いをしたことはありませんか?
同じ希望条件を挙げているのにWeb制作会社によって見積もり額が異なるのはさまざまな理由があり、一概に「制作費が高ければいい」「安いからダメ」と言い切れるものでもありません。
そこで「なぜWeb制作会社によって見積もり額が異なるのか」という理由から、賢いWeb制作会社の選び方までを解説します。
Webサイト制作費が高いWeb制作会社の特徴5つ
あまりにWebサイト制作の見積もり額が高いと不安になるかもしれません。しかし制作費が高いWeb制作会社には、制作費が高くなってしまう正当な理由があります。その特徴について、5つのポイントで解説します。
Webサイトのデザインクオリティが高い
ひとつ目は、Webデザインのクオリティが高いという点。特にWebデザインに関する賞の受賞歴などがある場合、それがない会社よりも制作費が高くなる傾向があります。会社ではなく、個人が受賞している場合も同様で、当然そのような優秀なデザイナーを雇用するためには高い給与を支払う必要があるため、自ずと制作費が高くなるでしょう。
Webサイト制作における「デザイン」とは、単に見栄えが良いことだけではなく、ユーザーが読みやすい、Webサイトの同線設計がスムーズなどの要素も含んでいます。それらのWebサイトにおける利便性を多角的に設計し、“使い勝手の良い”ホームページを追及するためには能力と工数、どちらも必要になってしまうため、どうしても制作費が高くなってしまうのです。
Webサイト制作の際に競合調査や分析などの工数をかけている
ふたつ目は、お客様に「見えないタスク」の量が異なる点。「見えないタスク」とは、ユーザーインタビューやユーザーテストなどの調査、競合分析やログ解析などの分析、顧客定義やマーケティング戦略の整理などのコンセプトづくりが挙げられます。
発注側は完成したホームページの表面的デザインだけで良いか悪いかを判断しようとしますが、「インターネットマーケティングで有用に使える企業ホームページ」を制作するには必要なタスクが多くなり、それが制作費に含まれているのです。
制作範囲の対応デバイスや対応ブラウザの幅が広い
3つ目は、Webサイトを閲覧する際に使用するデバイスやブラウザを幅広く考慮している点。現在の主流デバイスはPCとiPhoneなどのスマートフォン、そしてタブレットです。主流インターネットブラウザはInternet Explorer、Google Chrome、firefox、safariの4つ。これらのデバイスやブラウザで正しく表示ができれば、8割以上のユーザーに対応できるとされています。
基本的には上記4つのブラウザに対応すれば問題ないのですが、場合によってはフューチャーフォン(ガラケー)の対応も行う場合があります。また、スマホやタブレットにも最近ではあらゆる画面サイズの機種が販売されており、それぞれに完璧に対応させるとなるとその分工数が膨れ上がります。レスポンシブ対応も、ほとんどのケースがPCとスマホの2パターンのみ対応することによってコストを抑えていますが、そこにタブレットの対応が入るだけで見積もり金額が増えてしまうのです。
Web制作会社の規模感に比例して管理コストがかかる
4つ目は、会社の規模感×管理コストという掛け算が必要になる点。「大手Web制作会社に見積もりをとってみたら、中小のWeb制作会社よりも2~3倍ほど高い制作費を提案されて驚いた」という話は珍しくありません。
これは決して「大手ゆえに殿さま商売をしている」わけではなく、そもそもの必要経費がかかることが原因です。大手Web制作会社は案件の量に比例してたくさんの人材を雇用していますが、会社の規模が大きくなればなるほど、管理のためのツールやシステムが必要になり、それらをマネジメントする高度な管理者も必要になります。会社の利益分プラス会社の規模に応じたランニングコストが制作費に乗っているため、どうしても金額が高くなってしまうのです。
デザイナーなどの人工単価が高い
制作費が高いWeb制作会社は、クオリティの高い成果物を提供するためにコストを惜しみません。なぜならばシンプルに「高い制作費を支払っても納得してもらえるだけの成果物を納品しなければ、事業が成立しない」から。価値のある成果物を提供するため、優秀なスタッフがひとつの案件に対してじっくり時間をかけて取り組みます。一人で多くの仕事を捌くことができないことを考えれば、人工単価が高くなるのは致し方ありません。さらに人材の流動性の高い業界において、優秀なスタッフを会社に留め置くためには、前述した通り一定水準以上の給与が求められます。それらの人件費もまかなわなければいけないため、当然見積額は変わるでしょう。
制作費が安いWeb制作会社の特徴5つ
見積もり額が安いと嬉しい反面、「なぜそんなに安くできるのか」と不安になることも。制作費が高くなる理由があるのと同じように、制作費を安くできる理由もあります。それについて、5つのポイントで解説しましょう。
Webサイト制作における調査や分析など「見えないタスク」を省く
制作費が安いWeb制作会社のほとんどは、ユーザーインタビューやユーザーテストなどの調査、競合分析やログ解析などの分析、顧客定義やマーケティング戦略の整理などのコンセプトづくりといった「見えないタスク」を、基本的に省略して見積もりを立てます。前提として、成果物の要件を「必要最小限の機能を有したWebサイト」としているためです。
「すでにホームページのデザインやコンセプトが完全に決まっている」「市場調査やマーケティング戦略などはすべて自社でまかなう」という場合は、それを共有すればいいだけですから、制作費が安いWeb制作会社でも充分でしょう。
コストを圧縮するためにテンプレートを流用したデザインがメイン
制作費の安いWeb制作会社は、とにかく業務を効率化しています。案件ごとにデザイン構築をしなくて済むよう、ホームページデザインのテンプレートをいくつか作り、流用している場合がほとんどです。
テンプレートを流用しても、全体的なカラーや画像の変更だけである程度のオリジナリティは出せるので、「ホームページデザインにこだわりがない」「ベーシックなデザインで構わない」といった場合、デザインコストを削減してくれるWeb制作会社は強い味方になります。
ホームページ制作を外部に業務委託して人工単価を抑えている
自社でスタッフを抱えず、主だった制作を外部スタッフに業務委託することで、制作費を安くしているWeb制作会社もあります。
外部に業務委託をして安くできる理由はふたつ。ひとつはオフィスや設備に支払う固定費や管理コストが削減できるということ。そしてもうひとつは、人工単価の安い土地に在住しているスタッフに依頼できるということです。
土地による人工単価の差は、最低時給が都道府県によって異なることを考えればわかりやすいでしょう。東京と北海道の最低時給に価格差があるのと同じように、Web制作スタッフの人工単価もスタッフが在住している土地によって異なります。
また、思い切ったコスト削減を図って、オフショア・ニアショアと言われるフィリピンやインドといった人工単価が非常に安い海外へ発注しているWeb制作会社もあります。
このような会社はコストを抑えるメリットがある一方で、細かいすり合わせなどが行われないまま制作が進行してしまい、想像していたホームページと違うものが納品されたり、納期が遅くなってしまったりといった事態が起こる可能性もあるので、その点は注意が必要です。
ホームページ制作とは別の事業や別のサービスで利益を出している
サーバー管理、データ管理といった月額保守案件や、まったく異なる事業など、別サービスや別事業で利益を出しているため、制作費自体を安くできる会社もあります。
こうしたWeb制作会社の業態の場合、別事業や別サービスで利益を出しているのでホームページ制作の単価を落としても利益を確保することが可能です。ホームページ制作と別事業のどちらがメイン事業かにもよりますが、ホームページ制作をメインにしつつも別事業でしっかり利益が出ている会社の場合は、見積もり金額とクオリティのバランスが優れている可能性が高いでしょう。
短納期の案件を多数こなしている
短納期の案件ばかりを引き受けてひと月あたりの利益を上げることで、1案件あたりの制作費を安くする方法も。
こうしたWeb制作会社の場合、「要件を満たした成果物をとにかく早く納品する」ことを最優先に考えているため、オリジナリティや個性のあるWebサイトは期待できません。“短納期、低予算”が最優先の案件に適したWeb制作会社といえるでしょう。テンプレートデザインでとにかく業務効率を優先するので、大規模なWebサイト制作は苦手とする傾向があります。
賢くWeb制作会社を選ぶためのポイント5つ
これまでのポイントを踏まえて考えると、制作費の高いWeb制作会社に発注すればほぼ希望通り、もしくは希望以上の成果物が期待できると結論づけられるかも知れません。しかし、Webサイト制作費にそこまで掛けられないといった企業も多いでしょう。
そこで予算内の制作費で、クオリティの高い成果物を実現してくれる賢いWeb制作会社を選ぶための5つのポイントを解説します。
「Webサイトに求めているもの」を明確にする
「これからインターネットマーケティングを展開していきたい」「すでに顧客となっている人に見せるだけだから商品紹介ページがあればそれでいい」「オリジナルデザインのWebサイトがいい」など、会社によって求めるものは異なります。
そのため、「Webサイトがほしい」だけでなく、「どのような目的のWebサイトを作りたいのか」といった希望条件を、できる限り具体的に洗い出しましょう。具体的な機能の名前でなくとも、「こういうことがしたい」といったレベルでも問題ありません。Webサイトを活用して何をしたいかが明確になれば、Web制作会社との打ち合わせもスムーズに進行します。
自社でどこまで準備物が用意できるかをまとめる
次に洗い出した希望を叶えるため、人材と物の両面で、自社で何が準備できるかを考えます。「デザイナーがいるから、デザインについては具体的な提案書が用意できる」「企画職や営業職がいるから、マーケティング戦略は提案できる」「写真素材は新たに撮影することなく、すでにあるものを提供できる」といったイメージです。
「希望条件」と「希望を叶えるために自社で準備できるもの」を洗い出すことによって、「Web制作会社に依頼したい最低限の仕事」が明確化されます。依頼内容が多いということは「自社で準備できるものが少ない」ということです。場合によってはすべて丸投げで制作を依頼した方が自社の業務に集中できるというケースもあります。
「求めている仕事」を「強み」としているWeb制作会社をピックアップ
「Web制作会社に依頼したい最低限の仕事」がわかれば、その仕事を「強み」としているWeb制作会社を探します。
短納期・低予算が売りのWeb制作会社もあれば、将来を見越した提案まですべて担えることが売りのWeb制作会社もあります。「してほしい仕事」を得意としているWeb制作会社に依頼したほうが、予算を抑えてクオリティが高い成果物が期待できるでしょう。
自社が依頼する成果物によってもWeb制作会社を選ぶ基準が変わります。システム開発が絡む案件なのか、採用に特化したサイトなのか、集客に特化したサイトなのかなど、Web制作会社が得意とする領域と依頼したい内容のすり合わせが重要になります。
制作スタッフが見積もり相談に参加してくれるWeb制作会社を選ぶ
Web制作会社の中には、営業担当者が見積もり相談に対応する会社もあります。営業担当者自身にWeb制作の知識があれば問題ありませんが、ほとんどの場合、残念ながら最低限の知識しか持ち合わせていません。
そのため、見積もり相談の際に「できます」と言われたことが、実際発注したら「その価格ではできない」となることも……。そうなれば追加で制作費を支払うか、何かしら要件を変更・削除する必要があり、最初に思い描いていた成果物は期待できません。そうしたトラブルを予防するためにも、現場をよく知る制作スタッフ(ディレクター)が見積もり相談に対応してくれるWeb制作会社をチョイスしましょう。
こうしていくつかのWeb制作会社から見積もりをもらい、制作費と希望条件を天秤にかけて「最もバランスの良いWeb制作会社」に依頼すれば、発注者側が満足のいくWebサイトが完成するはずです。
制作費と成果物、バランスの取れたプランをご提案
「希望は叶えてくれるけど制作費が高すぎる見積もり」や「制作費はとても安いけれど希望通りの成果物が期待できないWeb制作会社」に出会ったときは、ぜひ一度マトレルにご相談を。
マトレルは、システム開発からサイト制作まで下請けに特化したWeb制作のスペシャリストです。Web以外にもパンフレット制作や動画撮影も対応可能で、クライアントが求める成果物に柔軟に対応します。代理店様や製作会社様からの依頼や、元請けとしてクライアント様からの直接発注など、幅広く対応しております。さまざまなニーズを持つお客様のお役に立てるよう、「期待を超えるクオリティ」でご提案いたします。