海外向けの多言語サイト制作を進めるためには、業者選定の段階で最適な制作会社を選ぶことが、良質なサイト制作に必要ですよね。
そこで、今回は多言語サイト制作の依頼先を選定するポイントやかかる費用、多言語サイト制作で得られるメリットなどを解説していきます。
本記事で取り上げた内容を参考にして、多言語サイト制作を進めていきましょう。
多言語サイト制作の依頼先を選定するポイント
多言語サイト制作の依頼先を選定するポイントとして、以下の4点が挙げられます。
- ホームページ制作と翻訳をワンストップで依頼できる業者を選ぶ
- 見積もり内容は細部まで確認しておく
- 翻訳トライアルを実施してみる
- 海外からの問い合わせに対応できるか
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。
ホームページ制作と翻訳をワンストップで依頼できる業者を選ぶ
ホームページ制作と翻訳をワンストップで依頼できる業者を選ぶことで、満足度の高いホームページ制作が実現できます。
多言語サイト制作で重要視すべき点は、翻訳した文章がホームページのレイアウトにマッチする長さかといった部分です。
他には、多言語ページと日本語ページがスムーズに切り替わり、快適にサイト内コンテンツが閲覧できることも重要です。
多言語サイト制作の方法として、日本語サイトと全く異なる多言語専用ページを別に作成する手法もありますが、大きな費用がかかるため、あまりおすすめしません。
リーズナブルな料金で多言語サイト制作を実施するには、既存の日本語版の言語だけを置換できるページ制作を外注化することです。
翻訳精度の高さやホームページ制作における専門知識、実績などを確認した上で、ワンストップで発注できる業者を選定しましょう。
見積もり内容は細部まで確認しておく
外注先の候補企業から提示された見積もり内容は、細部まで目を通しておきましょう。
注意すべきポイントは、翻訳チェックの有無が見積もり料金に含まれているかといった点です。
翻訳チェッカーが加わることで、翻訳チェックの精度が格段にアップします。
一見、最も安い料金を出す業者に魅力を感じやすいですが、金額のみに目を向けず、翻訳チェッカーの有無を始めとした内容を確認し、依頼の有無を判断する姿勢が大切です。
翻訳トライアルを実施してみる
見積もり料金や費用明細に大きな差が感じられない場合は、線的候補の業者に無料の翻訳トライアルを試してみましょう。
翻訳トライアルとは、発注前の翻訳品質に抱きがちな不安を解消するため、発注予定の原稿の一部を、基本的に無料で翻訳してもらうことで、翻訳の品質を確認できるサービスです。
翻訳トライアルの際に、日本語原稿の長さより、翻訳語の文章が極端に短い、または、長い翻訳文が提出された場合は要注意です。
また、専門知識を持っていないと翻訳が難しい文書や、業界用語が多用されている文書をトライアル翻訳してもらい、翻訳者の保有しているスキルを、容易に確認することができます。
翻訳トライアルで確認できたデータをもとに、選定先の企業を選びましょう。
海外からの問い合わせに対応できるか
海外からの問い合わせに対応できるかに関しても、多言語サイト制作の依頼先を選定するポイントです。
ホームページを多言語化することによって、海外からの問い合わせ連絡が入る可能性が高まります。
多言語化によって社内で対応できない場合は、問い合わせ内容と返信の翻訳サービスを提供してもらえる業者を選ぶ必要があります。
Webサイトからのビジネスチャンスを確実に活かすためには、海外から問い合わせ連絡が入った場合に、対応できるよう準備しておくことが大切です。
多言語サイト制作を依頼する際にかかる費用
多言語サイト制作を依頼する際にかかる費用は、日本語サイト制作の1.3倍程度の料金設定となるケースが多いです。
また、多言語際サイト制作の相場は、サイトの種類や規模によって費用が変動します。
多言語際サイト制作は日本語サイトの1.3倍程度の料金
多言語際サイト制作は、日本語サイト制作の1.3倍程度の料金設定となるケースが多いです。
費用は、以下の要素で変動しやすくなります。
- 自動翻訳レベル、または外国語レベルの翻訳なのか
- 日本語サイト全体、または、サイトの一部分だけ多言語化するのかといった依頼の範囲
- 日本語サイトと多言語サイトのどちらがをメインにサイト設計を進めるのか
中でも、大きく費用が変動する要素は外国語のレベルです。
ネイティブの人が閲覧して違和感のないサイト設計を実施する場合は、ライターの質や校閲をアサインする必要があり、高品質な人件費がかさむ分、依頼費が高額になります。
また、医療や法律関係のサイトなど、専門知識が必要な多言語サイトならば、専門家の監修も必要なため、高い費用がかかります。
多言語際サイト制作の相場
多言語際サイト制作の料金相場は、以下の通りです。
ホームページ種類 | 小規模 | 中規模 | 採用サイト |
企業サイト~ | ~50万円 | 50~300万円 | 300万円~ |
ECサイト | ~100万円 | 100~500万円 | 500万円~ |
オウンドメディア | ~100万円 | 100~300万円 | 300万円~ |
採用サイト | ~50万円 | 50~150万円 | 150万円~ |
多言語サイト制作の料金は、サイトの種類と規模によって費用が変動するのが一般的です。
また、サイト制作の規模は、主に「ページ数」「コンテンツ量」「デザインの質や量」の3つの要素から構成されていて、求めるサイト規模によって価格が大きく変わります。
表は多言語サイト制作の平均的な料金相場ですが、依頼を検討している方は参考にしてみてください。
多言語サイト制作で得られるメリット【3選】
多言語サイト制作で得られるメリットとして、以下の3点が挙げられます。
- 国内外の顧客から信頼を獲得できる
- 新規顧客を獲得できるチャンスが広げられる
- 競合他社との差別化が図れる
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。
国内外の顧客から信頼を獲得できる
多言語サイト制作を実施することは、国内外の顧客から信頼を獲得しやすくなります。
ホームページやコーポレートサイトで運営者情報を掲載していることで、会社の信頼性に繋がるように、海外においても多言語サイトで会社の存在や信頼性を高めるきっかけになります。
例えば、企業の情報を調べる際に、サイトが更新されていなく、掲載されている情報も古いと、会社が運営されているのか不安になりやすいです。
多言語サイト制作を実施することは、会社の信頼性を判断する上で大切な材料となります。
新規顧客を獲得できるチャンスが広げられる
多言語サイト制作に取り組むことは、新規顧客を獲得できるチャンスを広げられるきっかけ作りになります。
Webサイトが多言語対応できることで、海外からのサイト訪問者が製品やサービスの特徴、メリットなどの情報をスムーズに受け取ることができます。
日本の良質な製品やサービスは海外ユーザーにマッチする可能性を秘めており、言葉の壁を乗り越えることで、課題解決や新規顧客の獲得につながります。
競合他社との差別化が図れる
同様のジャンルで競合他社が多数存在している場合は、多言語サイト制作で競合と差別化を図ることにつながります。
競合サイトが多言語サイトを設置していないなら、ユーザービリティの高い魅力的なサイトとして認識され、海外のビジネス展開を優位に進められる可能性が高くなります。
今後のビジネス海外進出のために、競合より早く多言語サイト制作を進めておくのがおすすめです。
多言語サイト制作を依頼する場合の注意点
多言語サイト制作を依頼する場合の注意点として、以下の2点が挙げられます。
- 翻訳の質の高さを確認する
- Webマーケティング対応の有無
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。
翻訳の質の高さを確認する
多言語サイト制作を依頼する場合は、翻訳の質の高さが重要です。
翻訳の質が高いサイトは、ネイティブな人にも違和感なく翻訳できる、サービス内容が正しく伝わる翻訳ができるなど、サイトの意義が正しく伝えられます。
反対に、費用を削減する目的で、自己流の翻訳や低コストな機械翻訳を利用してしまうと、翻訳のクオリティーが下がるため、ユーザビリティや信頼の低下、誤解から思わぬトラブルが生じることも考えられます。
翻訳の質を依頼前に確認するためには、過去の実績も参考にしてみるのも一案です。
Webマーケティング対応の有無
翻訳の精度だけではなく、各国向けに高い効果が得られるSEO設計や広告運用の最適化、ブランディング戦略などのWebマーケティング支援があると、良い結果に繋がりやすくなります。
多言語向けのWebマーケティングもサポートの有無について、依頼前に確認しておきましょう。
多言語サイト制作における依頼で意識すべきポイント
多言語サイト制作における依頼で意識すべきポイントを、解説していきます。
外注前におおまかな流れを把握しておくと、スムーズに多言語サイト制作が依頼できます。
翻訳する箇所を吟味する
すぐに多言語サイト制作を依頼するのではなく、翻訳を依頼したいページや箇所を取捨選択しておきましょう。
情報をまとめておくことで、翻訳料金や納期の節約につながります。
また、翻訳が不要な箇所についても、指示しておく必要があります。
万が一、翻訳作業が不要な箇所を指示していなければ、サイト制作会社や翻訳者は指示されたページ内の全てのテキストを翻訳対象と判断するケースがあるからです。
翻訳完了後、すでに翻訳済みの部分については翻訳料金が発生します。
翻訳料金の節約や納期の短縮につながるため、多言語サイト制作で翻訳作業を依頼する前に、翻訳対象を取捨選択しましょう。
原稿内容の確定後に依頼する
原文が日本語ページで、作成作業と同時に翻訳を進めている場合は、日本語ページの内容が確定後に翻訳作業を依頼するのがおすすめです。
日本語ページの掲載内容が未確定なままで翻訳を進めてしまうと、途中で大幅な修正や変更が加えられた場合に、一度翻訳したものを再度翻訳する作業が必要となり、追加で翻訳料金が新たに発生します。
一方で、原稿内容の確定後に翻訳を依頼する形式に決めていると、最小限のコストで納期通りの翻訳作業が実現できます。
原稿内容の確定後に、多言語サイト向けの翻訳作業を依頼しましょう。
テキストファイル形式で翻訳依頼する
テキストファイル形式で、多言語サイト向けの翻訳を依頼しましょう。
URLリストは「リンク」や「バナー」などどこまで翻訳すれば良いのかといった疑問が生じて、翻訳箇所の認識が双方で一致しにくい可能性があります。
「どこを、どこまで」翻訳するのかに対する理解が曖昧になり、後々のトラブルの原因となることもありかもしれません。
そのため、多言語向けサイト制作時の翻訳を依頼する際は、翻訳が必要なページとテキストを「Word」「Excel」ファイルにまとめ、提供しましょう。
また、テキストファイルの原文だけを参考に翻訳を進めていく場合は、文脈全体の把握が難しいケースも多々あります。
必要なページを参照できるようにページ参照元URLを適切な箇所で貼り付けておくことで、相応しいページ制作が進められます。
指定用語はあらかじめ伝えておく
多言語翻訳指定用語がある場合は、原稿の提供と同時に伝えておきましょう。
反対に、指定用語を伝えず、「なるべく既存のWebサイトに合わせて制作を依頼したい」といった曖昧な要望のみの伝達となった場合は、期待した翻訳結果にならない可能性があります。
また、こちらが意図しない翻訳が納品された場合は、再度修正依頼を提示する必要があり、費用だけではなく大幅な納期の遅れが生じてしまいます。
以上の理由から、翻訳の指定用語はあらかじめ伝えておくのがおすすめです。
スケジュールはゆとりを持たせて設定する
理想の多言語サイト設計を実現するためには、組織内の人間にしかわからないニュアンス等も含めている期待通りの翻訳なのかについて入念に確認すると、ずれが無く安心です。
具体的な方法として、「レビュー期間(翻訳内容の確認に要する期間)」を設けることがおすすめです。
一方で、ウェブサイトの公開間近のタイミングで翻訳を確認していくと、レビュー期間を満足に取ることができません。
十分に吟味できない状態でウェブサイトを公開することになり、準備不足が原因で効果が半減してしまいます。
満足できる形で多言語サイト制作を進めていくためには、翻訳期間やレビュー期間を十分に確保できる、余裕のあるスケジュールを設定することが大切です。
まとめ
今回は、多言語サイト制作の依頼先を選定するポイントやかかる費用、多言語サイト制作で得られるメリットなどを解説しました。
多言語サイト制作は難しいイメージを抱きがちですが、厳選した業者に依頼することで、ユーザビリティが高いサイト設計を実現でき、最大の効果を得ることができます。
本記事で取り上げた内容を参考にして、海外向け多言語サイト制作を進めましょう。