企業がコーポレートサイトを制作・運用するメリットを解説
インターネットやスマートフォンの普及により、多くの企業が当たり前にコーポレートサイトを持つ時代になりました。しかし、持っているのが当たり前だからという理由だけでコーポレートサイトを制作しても全く意味がありません。
実際にコーポレートサイトの制作戦略を失敗したために、運用がうまくいかないといったご相談を多く頂きます。
また「ネットでのビジネスはやっていないからコーポレートサイトを持つ必要がない」と考えている方も少なからずいると思います。
今回は、そもそも企業がなぜコーポレートを制作するのか?さらにコーポレートサイトを構成するためのコンテンツついてご説明します。
自社のコーポレートサイトの制作をお考えの際は、参考にしてみてください。
そもそもコーポレートサイトって何?
コーポレート(corporate)とは「法人(組織)の」という意味を持つ言葉で、単純に訳すと「企業のWebサイト」のことです。
企業によってはECサイトやWebメディア、採用サイトなど目的に応じたWebサイトを運営しています。これらと区別して自社の企業理念や経営方針、取り組みなどを社内外へ向けて発信するためのWebサイトを「コーポレートサイト」と定義します。
社員、顧客、見込み客、取引先、株主、求職者、地域住民など、さまざまなステークホルダーとコミュニケーションを取るための手段となっており「コーポ―レートサイトを通して何がしたいのか」を明確にした上で制作・運用します。コーポレートサイトはWeb上での会社の顔であり、自社に対する信頼感・安心感を与えるためのWebサイトとしての役割を担っています。
種類 | 目的 | ターゲット | 特徴 |
コーポレートサイト | 情報発信 | 全関係者 | 会社の基本情報や取り組み等を伝え、顧客や見込み客、株主などの幅広い層への信頼獲得やブランディングを目的とする。 |
ECサイト | 商品販売 | お客様 | 製品やサービスをインターネット上で時間や場所を選ばず販売できる。 |
サービスサイト | サービス提供 | お客様 | 商品・サービスに関する情報がメイン。新規顧客の獲得やサービスの認知、既存顧客・見込み客への購買意欲促進を目的とする。 |
LP | 購買導線 | お客様 | 特定の商品やサービスを売ることに特化したページ。ECサイトやお問い合わせへ誘導し、購買の導線となる。 |
採用サイト | 人材獲得 | 新卒・中途 | 企業の採用を強化する目的。 |
コーポレートサイトを持つメリット
実際にコーポレートサイトを持つことで下記のようなメリットがあると考えられます。
・自社最新情報を社外に発信できる
・情報量の制限がない
・企業ブランディングになる
・ビジネスチャンスの機会獲得を増やす
自社の最新情報を社外に発信できる
かつては企業が自社情報を伝えるための「会社案内パンフレット」といったツールが主流でした。しかし印刷物といった特性上、記載内容の追加や変更に手間がかかってしまう点や、社外に届ける方法も手渡しや郵送に限られる点がデメリットでした。
その点コーポレートサイトでは情報の更新に即時対応しやすく、社外に向けて常に最新情報を提供することが可能です。
ただし更新を怠ったり放置して古い情報を掲載し続けてしまうと、訪れるユーザーにとってマイナスのイメージを与える可能性もあります。コーポレートサイトは制作して終わりではなく、継続した情報発信のための「運用」も必須となるのでご注意ください。
情報量の制限がない
紙媒体の情報発信では決められたサイズの中に文字や画像をレイアウトするため、掲載できる情報量に限りがあります。
一方コーポレートサイトでの情報発信には、物理的な情報量の上限はありません。
文章や写真を見やすくデザインしたり、動画を使用した大胆なコンテンツでユーザーの興味や関心を惹きつけるなど目的やターゲット層に合わせて自由な構成を練ることができます。
企業ブランディングになる
コーポレートサイトの印象は企業イメージにダイレクトに影響を与えると考えられます。
企業理念や経営方針、コンテンツの内容を充実させることはもちろん、使用する画像や配色、フォントといったデザインの構成要素も企業のブランドイメージに大きく寄与します。
企業らしさを表現することで企業の価値を高め、企業のブランドイメージが向上すれば長期的に企業の売り上げや利益増加につながります。
ビジネスチャンスの獲得機会を増やす
コーポレートサイトで「こういうことをしている会社です」と伝えることで企業の存在意義を確立できます。
頻繁に情報を更新し運用しているコーポレートサイトであれば、自社に対する理解を深めてもらえるでしょう。
ユーザーの信頼を獲得することでWebサイトを経由しての相談や問い合わせや、思わぬビジネスチャンスにつながる可能性も出てきます。
コーポレートサイトを情報発信ツールとして上手に運用していくことでビジネスの幅を広げる鍵となります。
コーポレートサイトに必要なコンテンツ
コーポレートサイトに掲載したいコンテンツについて説明します。
企業理念やビジョン
企業理念やビジョンなど、企業の想いやメッセージを発信するページです。企業によってさまざまなスタイルの企業理念が存在しますが、「企業の存在意義とあり方を言語化したもの」として下記のような内容を掲載することが多いです。
実際にコーポレートサイトを持つことで下記のようなメリットがあると考えられます。
・自社が何のために存在しているのか
・何を目的に活動しているのか
・自社の強みは何なのか
代表メッセージ、社員紹介
代表や社員といった個人からのメッセージがあると、ユーザーにとって一層親近感や信頼を感じることができます。
文章だけでなく本人の写真があることで、より一層親近感や信頼を感じられるでしょう。
会社概要
コーポレートサイトに欠かせないのが会社概要です。会社名・代表者名・所在地・設立年・資本金・事業概要・取引銀行などを掲載します。基本的な事項なので不備や誤字がないようにすること、また変更があった場合には速やかに修正・更新しましょう。
見やすく表にまとめたり、会社の所在地の表記とともに地図を組み込むなどの配慮も好印象につながります。
サービス・商品の紹介ページ
自社で提供しているサービスや製品を紹介するページです。
コーポレートサイトとは別にサービスページ等の運用をしている場合でも、サービス・製品の概要や誘導リンクの設置をすることで親切な印象を与えることができます。
IR情報
投資家向けの代表メッセージ、業績・財務情報、決算短信などのIR資料、コーポレートガバナンス、ディスクロージャーポリシー、株主情報、電子公告などを掲載します。情報開示を積極的に行う姿勢は信頼できる企業だという印象から、IR活動を積極的に行っている企業の株価は、IR活動をあまり行っていない企業の株価に比べて高くなる傾向があるといわれています。
ニュース・最新情報
企業の最新情報やニュースリリースなどを掲載するページです。
コーポレートサイトに訪れるのは見込み客や顧客、取引先、株主、求職者などさまざまです。ホームページの更新が止まっていて古い情報のままだとユーザーに「この会社は大丈夫なんだろうか」と不安を与えてしまいますが、定期的に更新することで最新の情報を得られるという安心感が得られます。
問い合わせフォーム
コーポレートサイトを閲覧したユーザーからの問い合わせ窓口として、24時間365日受け付けられるお問い合わせフォームを設置します。
個人情報保護方針
プライバシーポリシーともよばれます。お問い合わせフォームを設置する以上、ユーザーから個人情報を取得することになるので、個人情報保護方針の明示も必須となります。
よくある質問(FAQ)
ユーザーが疑問に思うことに対して事前に回答しておくことで、不明点が解消されお問い合わせの確度が高まります。
実際に多い質問内容を中心に、自社がアピールしたい項目をうまく盛り込んで訴求することができます。SEO対策でも基本であり集客面にも寄与する有用なコンテンツとなります。
実績、導入事例
ただ情報として羅列していくのではなく、その製品やサービスを利用してどのような結果に繋がったかなどを詳細に掲載できるとユーザーの安心感は高まります。
お客様の声
実際に製品・サービスを導入しているお客様の声を掲載します。
ターゲット層のユーザーに近いシチュエーションや事例があれば、より具体的にサービスや製品のイメージが湧くためコンバージョン率sップに寄与するコンテンツとなります。
その他
上記に挙げたコンテンツに限らず、ターゲット層や目的に応じたコンテンツを追加することができます。
- お問い合わせフォームよりも検討度の高い見込客のために、製品・サービスの見積を請求できる「見積もりフォーム」を設置する。
- 「ブログ」を設置し業界のトレンド情報やユーザーの役に立つコンテンツを定期的に掲載していくことで、ユーザーの信頼を得ると同時にSEO対策にもなる。
- 製品カタログ、取扱説明書といった資料を一覧にまとめた「資料ダウンロードページ」を追加し、ユーザーが自由にダウンロードできるようにする。
BtoB企業におけるコーポレートサイトの活用事例
BtoBとは企業間におけるビジネスのことです。
・法人向け融資
・企業の経営コンサルティング
・ITシステムの構築
・工業用製品の製造および販売
これらの業種は日常生活では馴染みのない商材を扱っていることも多く、専門性を網羅した内容が求められます。制作の難易度は上がりますが、受注単価が大きく継続的な取引関係になることが多く安定した収益が見込めることが特徴です。
マーケティング活用
従来は営業担当によるマーケティングが一般的でしたが、近年ではコーポレートサイトをマーケティングに活用する企業が増えています。
展示会や紹介などで直接足を運ぶ機会があったとしても、見込客はすぐに接触をしてくることは少ないです。多くは各企業のコーポレートサイトに訪れることで他社との比較検討や情報収集を行ないます。そして「ここだ」と思って初めてアクションを起こします。よって、コーポレートサイト自体が見込客による”一次選定”と言っても過言ではありません。
検討してもらう際に必要な情報量や質の高いコンテンツが提供できており、自社を認知してもらえれば競合他社より優位に立つことができます。
「自社製品の強みが何で、顧客にどんな利便性をもたらすか」
営業パーソンであれば顧客のやりとりの中で伝えることができますが、コーポレートサイトの場合はこちらから発信しなければ伝わりません。競合他社の調査やリスティング広告、SWOT分析や3C分析などのフレームワークを用いて自社の強みを的確に分析するといった戦略が必要になります。
まとめると、BtoB企業のコーポレートサイトにおける役割と目的は以下のようになります。
・役割:見込み客へのサービス利用の検討判断ができる情報の提供
・目的:見込客の獲得
上手く活用することで「自社の営業活動に貢献するサポートツール」となります。
ビジネスチャンスを最大限生かせるような制作戦略を行ないましょう。
まとめ
今回の記事ではコーポレートサイトをもつ理由やメリット、コーポレートサイトを構成するコンテンツについて説明しました。
コーポレートサイトの目的は、企業の基本情報や最新情報をさまざまなステークホルダー(社員、顧客、見込み客、取引先、株主、求職者、地域住民など)へ伝えること。よって、コーポレートサイトのあり方ひとつで企業の印象は大きく変わります。企業らしさを具現化できれば自社の優位性を印象付けることができ、ファン化できれば企業のブランディングにも有意にはたらきます。
マトレルではこれまで数多くのコーポレートサイトの制作に携わってきました。制作する目的を明確にした上で、ユーザーのニーズに応じたサイト制作を行うことを得意としています。コーポレートサイトの制作でお困りごとがございましたら、何でもご相談ください。